音響計測 技術コラム
無響室・無響箱で使用するローノイズマイクロホン
2025年5月1日
- HBK × Sonora 音響計測ソリューション
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音響パワー測定
非常に静かな無響室や無響箱での暗騒音下での測定に適したマイクロフォンの選定には、自己雑音(自己ノイズ)が極めて低いマイクロフォンを選ぶことが重要です。HBK(Brüel & Kjær)社では、暗騒音レベルの測定に適した超低雑音の測定用マイクロフォンが複数ラインナップされています。
以下に、HBK社の中で特に低ノイズ性能を持つマイクを紹介します。
1. Type 4955 – 超低ノイズマイクロホン
| 自己雑音レベル | 5.5 dB(A)(非常に低い) |
|---|---|
| 感度 | 約50 mV/Pa |
| 用途 | 超静音環境での暗騒音測定、研究開発用途 |
| 備考 | 高感度と低ノイズを兼ね備えており、暗騒音の可聴域レベルでの測定が可能 |
2. Type 4176 – 1/2インチ Free-field マイクロホン
| 自己雑音レベル | 6.5 dB(A) |
|---|---|
| 感度 | 約45 mV/Pa |
| 用途 | 静音測定、低レベル音源の解析 |
| 特徴 | 温度安定性が高く、信頼性も高い |
選定時の重要ポイント
| 自己雑音(Noise Floor) | 測定対象となる暗騒音よりも十分に低い自己雑音を持つマイクを選定する必要があります。例:暗騒音が10 dB(A)以下であれば、マイクの自己雑音は5〜6 dB(A)以下が望ましい。 |
|---|---|
| 感度(Sensitivity) | 測定対象の音圧レベルが非常に低い場合は、高感度マイクの方が有利です。 |
無響室や無響箱は高い遮音性により、庫内が非常に低い暗騒音となり、また測定対象物の測定音によっては環境に適したローノイズマイクロホンの選定が必要です。
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