音響計測 技術コラム

2025/12/11

音響パワー測定

無響室を「設計する幾何学」 ─ 音場性能を決める形状・構造の最適化 ─

はじめに 無響室の性能は、吸音材の性能だけで決まるわけではありません。音がどのように「部屋の中を移動し、反射し、消えていくか」。その経路を制御する設計こそが、空間全体の静けさを決めます。 ...

2025/12/06

付帯設備併設型無響室の統合設計 ─ “静けさと機能”を両立させる構造思想 ─

はじめに 無響室は「音を測るための静かな部屋」ですが、実際の産業・研究用途では、単独で存在することはほとんどありません。 内部には試験機、風洞、恒温槽、電源装置、配管、搬送設備など、多様...

2025/11/30

音響パワー測定

組立式・モジュール型半無響室の技術的利点 ─ “設置しながら運用する”新しい試験環境 ─

はじめに 従来、無響室は「一度建てたら動かせない設備」でした。しかし近年、製品ライフサイクルの短期化や開発拠点の分散化により、可搬性と再構成性を備えた音響試験環境が求められています。 そ...

2025/11/25

音響パワー測定

静けさを“測る”技術 ─ 無響室が支える産業の品質 ─

はじめに どんなに優れた防音構造を設計しても、「静かさ」は測らなければ証明できません。 工場や製品開発の現場では、静音性能を“感覚”ではなく“数値”で管理することが求められています。その...

2025/11/18

音響パワー測定

再現性をつくる ─ 音響測定における環境安定化設計 ─

はじめに 音響測定の精度は、機材の性能だけでは決まりません。「同じ条件で、同じ結果が得られる環境」をいかに維持できるか。 それが、音響計測における最も重要な品質指標、すなわち再現性（Re...

2025/11/13

建築音響や環境計測におけるモバイル計測器の新潮流 ─ 現場で“正しく測る”ための技術 ─

はじめに かつて「正確な音響測定」は、無響室や試験室の専用設備でしか実現できませんでした。しかし現在では、ポータブルマイクロホン、ワイヤレス計測ユニット、クラウド連携解析などにより、現場で“実...

2025/11/07

音響パワー測定

（完）逆二乗則成立エリアの設計論 ─ 無響室で“正しく測る”ための距離設計 ─

はじめに 無響室で音圧レベルを測るとき、最も基本的な前提は「音のエネルギーが距離の二乗に反比例して減衰する」──すなわち逆二乗則（Inverse Square Law）です。 しかしこの...

2025/10/31

Acoustic Camera による音源測定／音源探査

音響カメラによる音源可視化と無響空間 ─ “見える静けさ”の活用 ─

はじめに 音響試験の世界では、「音を聴く」ことから「音を見る」ことへと進化が進んでいます。 音響カメラ（Acoustic Camera）は、音圧や音響エネルギーを画像化し、どこから音が発...

2025/10/25

音響パワー測定

音響・振動計測ソフトウェアの連携活用 ─ “測る”を統合するデータフロー設計 ─

はじめに 近年の音響・振動計測は、センサーや収録機器の高性能化により、膨大なデータを高速で取得できるようになりました。 しかし、その一方で多くの現場が直面しているのは、「測定データが分断...

2025/10/20

エンド・オブ・ライン音響検査システム ─ 量産品の“静けさ”を定量化する ─

はじめに 「静かに動く製品」を量産するには、設計段階の音響評価だけでなく、生産ライン上での音品質保証が不可欠です。 その役割を担うのが、EOL（End-of-Line）音響検査システムで...

2025/10/14

音響パワー測定

“静けさ”を設計する未来 ─ デジタル音響計測と空間工学の融合 ─

はじめに 無響室が誕生して半世紀。これまで「静けさ」は、壁・楔・構造でつくるものでした。 しかし今、音響試験の世界は転換点を迎えています。AI・クラウド・シミュレーションが融合し、“静け...

2025/09/15

無響箱＋騒音計による簡易性能測定

通信モジュールの自動音響検査とは？ ― Bluetooth／無線マイク向けAEB × HBKシステムの活用法 ―

はじめに：音声デバイスの“出音”と“入力”を確実に検査するには 無線通信型のマイクロホン、Bluetoothスピーカー、インカムモジュールなどは、出荷時の音響性能保証が求められる製品群です。し...

2025/09/10

電気音響測定

小型電動機器の音響検査を効率化する ― EAAC × HBK解析による自動判定と量産品質の確保 ―

はじめに：小型製品の異音検査は“精度とスピード”の両立が難しい スマート家電、センサモジュール、小型ファン・ポンプ・モーターなど、小型電動製品の静粛性評価は年々重要度を増しています。一方で、こ...

2025/09/05

無響箱＋騒音計による簡易性能測定

指向性スピーカーの空間特性評価とは？ ― HBKマイク × 回転ステージ × AEBによる“音の指向性マッピング” ―

はじめに：スピーカーの「指向性」とは何か スピーカーやアラーム音源などの音響出力は、方向によって強さや周波数特性が異なることがあります。この「指向性（directivity）」を定量化すること...

2025/08/31

Acoustic Camera による音源測定／音源探査

音響カメラで“見える化”する異音解析　― 開放場 vs 無響室、BEAMFORMINGの効果を最大化する測定空間とは

はじめに：異音トラブルは“見えない”から対処できない 「異音は聞こえるが、どこから出ているかわからない」「エンジンルーム全体が鳴っているように感じる」そうした音の可視化ニーズに応えるのが、HB...

2025/08/26

音響パワー測定

なぜ「測定室と計測機器」は一緒に考えるべきか？ ― 環境ノイズ vs. 機器精度：両立を図る設計哲学 ―

はじめに：高精度計測で“見落とされがちな落とし穴” 精密な音響・振動・NVH試験では、計測機器の性能だけでは正確なデータは得られません。実は多くの測定誤差は、測定環境＝部屋そのものに起因してい...

2025/08/21

音響パワー測定

トラバース装置による音圧自動スキャンとは？ ― ISO 26101準拠 × PULSE × ソノーラ無響室で実現する“逆二乗則”検証 ―

はじめに：ISO 3744／26101における「逆二乗則」とは？ 音響パワー測定において、測定空間が自由音場であるかを証明する方法として、音源からの距離に応じて音圧が-6dBずつ減衰する（＝逆...

2025/08/16

無響箱＋騒音計による簡易性能測定

エンクロージャ内部の音を“外から測る”技術 ― AEB × HBKマイクで実現する非破壊・非接触音響検査 ―

概要 筐体内部の音響状態や異音を、ケースを開けずに外部から非接触で計測・判定する技術。特に以下のようなニーズに対応します： 密閉型デバイスの量産検査（例：センサーユニット、スピーカーモ...