音響計測 技術コラム
小型電動機器の音響検査を効率化する ― EAAC × HBK解析による自動判定と量産品質の確保 ―
2025年9月10日
- HBK × Sonora 音響計測ソリューション
- 音響計測 技術コラム
- 小型電動機器の音響検査を効率化する ― EAAC × HBK解析による自動判定と量産品質の確保 ―
電気音響測定

はじめに:小型製品の異音検査は“精度とスピード”の両立が難しい
スマート家電、センサモジュール、小型ファン・ポンプ・モーターなど、小型電動製品の静粛性評価は年々重要度を増しています。
一方で、これらの製品は出力が小さく、部品構成も複雑なため、音響検査が難しくなりがちです。
さらに量産現場では、「高精度な測定」と「短時間での自動判定」という相反するニーズが要求されます。
ソリューション:EAAC × HBKによる静寂・高速な測定空間構成
守谷商会では、以下のような組合せをご提案しています。
測定環境
EAAC(Electroacoustic Anechoic Chamber)
コンパクトながら自由音場構成を維持し、反射・外乱を最小化
センサ/解析機器
HBKマイクロホン × PULSE音響解析システム
自動化オプション
測定の流れ(例:ポータブルポンプ検査)
- 1. 搬送ラインよりEAACに自動搬入
- 2. HBKマイクで動作音を録音・FFT分析
- 3. 登録された“合格品スペクトル”と照合
- 4. 合否判定をPLCへ出力 → 排出処理へ
判定までにかかる時間は約3〜5秒、オフライン解析不要で即時処理が可能です。
なぜEAACが最適なのか?
- コンパクト設計(1〜2㎡)でも反射の少ない無響空間を実現
- 設置・移設が容易でライン増設にも柔軟に対応
- HBK機器との音響特性マッチングを考慮した設計
製品が小さいからこそ、わずかな反射音や外部音が測定精度に影響するため、EAACの高い遮音性と指向性の制御力が効果を発揮します。
ご相談・カスタマイズ項目例
- 製品サイズに応じたEAACの筐体設計
- 測定対象周波数に最適化したマイク/楔構成
- 自動搬入・合否判定インターフェースの構築
- HBK製品との最適なペアリングと実装支援
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