音響計測 技術コラム
音響インテンシティプローブ
2024年4月24日
- HBK × Sonora 音響計測ソリューション
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音響パワー測定
音響インテンシティプローブは、2つのマイクロホンの間にスペーサーを配置して、向かい合わせに設置されます。この配置は、スペーサのないside-by-side、back-to-back、face-to-faceの配置に比べて周波数応答や指向特性が優れていることがわかっています。スペーサーには、長さが6、12、50mmの3種類あり、これによりマイクロホンの距離を一定に保ちます。スペーサーの選択は、カバーする周波数範囲によって行います。
指向特性
音響インテンシティ分析システムの指向特性は、平面的には8の字型に見えますが、これはコサイン特性と呼ばれるものです。この特性は、プローブと分析器の計算に起因します。
音圧はスカラー量なので、音圧測定用トランスデューサは音の入射方向に関係なく、同じ応答をする(無指向性である)必要があります。一方、音響インテンシティはベクトル量です。2本のマイクを使ったプローブでは、ベクトルを測定するのではなく、プローブの軸に沿った一方向の成分を測定します。完全なベクトルは、各座標方向に1つずつ、互いに直角な(互いに90°の)3つの成分で構成されています。
音が軸に対して90°の角度で入射した場合、音圧信号には差がないため、プローブの軸に沿った成分は存在しません。その結果、粒子速度はゼロとなり、インテンシティもゼロになります。一方、軸に対して任意の角度θで入射した音の場合、軸に沿ったインテンシティ成分は係数cosθで減少します。この減少により、指向性がコサイン特性となります。