音響計測 技術コラム
なぜHBK × SONORAなのか ― 音響計測機器と音響計測空間を一体で考えるメリット ―
2026年7月8日
- HBK × Sonora 音響計測ソリューション
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音響パワー測定
音響測定では、測定器の精度だけでなく、測定空間の性能が結果の信頼性を大きく左右します。
高精度なマイクロホン、サウンドレベルメータ、データ収録装置、解析ソフトウェアを使用していても、測定空間に反射音、暗騒音、床振動、外部騒音、空調音、治具からの反射などが存在すれば、測定結果にはそれらの影響が含まれます。
一方で、優れた無響室や無響箱を導入しても、測定器、マイクロホン配置、解析条件、規格対応、校正、データ処理が適切でなければ、空間性能を十分に活かすことはできません。
つまり、音響測定の品質は、計測器だけでも、測定空間だけでも完結しません。
測定対象、測定規格、計測システム、測定空間、治具、解析、運用方法を一体で設計することが重要です。
HBK × SONORAは、この「計測」と「空間」を一体で考えるための音響計測ソリューションです。
HBKは音響・振動計測に関する計測機器、解析システム、マイクロホン、サウンドレベルメータなどの技術を提供し、SONORAは無響室、半無響室、無響箱、防音室、音響内装などの測定空間を設計・製作します。守谷商会は、両者を組み合わせ、測定目的に応じた構成提案から導入、運用までを支援します。HBK × SONORAの公式サイトでも、音響測定システムと全無響室・半無響室、無響箱などを組み合わせたトータルソリューションとして、音響パワー測定、電気音響測定、簡易性能測定、音源探査、パスバイノイズ計測、自動音響検査などを紹介しています。
音響測定でよく起こる課題
音響測定の現場では、次のような課題がよく発生します。
| 課題 | よくある状態 |
|---|---|
| 測定値が安定しない | 測定するたびに結果が変わる |
| 周波数特性にピーク・ディップが出る | 壁面反射や治具反射の影響を受けている |
| 暗騒音が高い | 周辺設備、空調、外部騒音が測定値に混入する |
| 規格に適合しているか判断しにくい | ISO、JIS、社内基準との関係が整理できていない |
| 無響室を導入したが使いこなせない | 測定器・治具・解析条件との整合が取れていない |
| 計測器を導入したが測定環境が足りない | 一般室で測っており、反射や騒音の影響が大きい |
| 量産検査に展開できない | 測定時間、搬送、自動判定、データ保存の課題が残る |
これらの課題は、計測器だけを見ても、測定室だけを見ても解決しにくいことがあります。
たとえば、周波数特性の乱れがマイクロホンや解析器の問題なのか、測定室の反射なのか、治具の影響なのか、暗騒音なのかを切り分ける必要があります。
HBK × SONORAのメリットは、この切り分けを「計測」と「空間」の両面から検討できる点にあります。
メリット1:測定目的から逆算して構成を決められる
音響測定といっても、目的はさまざまです。
音響パワーレベルを規格に基づいて測定したい場合、スピーカーやヘッドホンなどの電気音響デバイスを評価したい場合、工場内で簡易的に製品音を比較したい場合、音源探査を行いたい場合、車両のパスバイノイズを評価したい場合、量産ラインで自動検査を行いたい場合では、必要な計測器も測定空間も異なります。
HBK × SONORAでは、測定目的から逆算して、必要な計測システムと測定空間を組み合わせて検討できます。
公式サイトでは、主なソリューションとして以下のような用途が整理されています。
| 測定目的 | 構成例 |
|---|---|
| 音響パワー測定 | 音響測定システム + 全無響室 / 半無響室 |
| 電気音響測定 | 音響測定システム + 無響箱 / 全無響室 / 半無響室 |
| 簡易性能測定 | サウンドレベルメータ + 無響箱 |
| 音源測定・音源探査 | Acoustic Camera + 無響室 |
| パスバイノイズ計測 | VSAC + パスバイ・システム |
| 量産ライン音響検査 | 自動扉無響箱 + 高精度解析・自動判定システム |
はじめに測定目的を明確にすることで、過剰な設備投資を避けながら、必要な精度と運用性を満たす構成を検討できます。
メリット2:規格対応を見据えた測定環境を構築できる
音響測定では、ISOやJISなどの測定規格に対応する必要があるケースがあります。
たとえば音響パワー測定では、音圧法やインテンシティ法など、測定方法ごとに必要な環境条件、マイクロホン配置、暗騒音条件、環境補正、測定面条件が異なります。HBK × SONORAのソリューションでは、音響パワー測定において、JIS Z 8732、JIS Z 8733、ISO 3744、ISO 3745、またインテンシティ法としてJIS Z 8736-1、-2、-3、ISO 9614-1、-2、-3が対象として示されています。
規格対応で重要なのは、測定器だけをそろえることではありません。
測定空間が規格の要求を満たすか、暗騒音が十分に低いか、測定対象を配置できる空間があるか、測定表面を確保できるか、治具や床面の影響をどう扱うかまで含めて検討する必要があります。
HBK × SONORAでは、測定規格、測定対象、対象周波数、測定面、運用方法を踏まえて、計測システムと測定空間を同時に検討できます。
メリット3:導入後の「測れる状態」まで設計できる
音響測定設備では、機器や部屋を導入しただけでは、すぐに安定した測定ができるとは限りません。
実際には、以下のような運用条件まで設計する必要があります。
| 項目 | 検討内容 |
|---|---|
| マイクロホン配置 | 測定規格、測定対象寸法、測定距離に合わせた配置 |
| 測定治具 | 反射、振動、固定方法、再現性への影響 |
| 暗騒音管理 | 空調、周辺設備、外部騒音、床振動 |
| 測定手順 | 試験前確認、校正、暗騒音測定、対象音測定 |
| データ管理 | 解析条件、保存形式、トレーサビリティ |
| 作業性 | 搬入出、扉開閉、治具交換、測定時間 |
| 将来拡張 | 測定対象の大型化、周波数範囲拡大、自動化対応 |
SONORAは、無響室・無響箱について、設計製造から施工、音響性能保証までの一貫したソリューションを提供するメーカーとして紹介されています。
そこにHBKの計測機器や解析システムを組み合わせることで、測定室の完成だけでなく、実際に「何を、どのように、どの精度で測るか」まで考えた設備計画が可能になります。
メリット4:簡易測定から本格測定まで段階的に検討できる
すべての測定に、最初から大型の無響室や高度な自動検査設備が必要なわけではありません。
開発初期では、まず簡易的に製品音を比較したい場合があります。
量産前には、測定条件を安定させて良否判定の基準を作りたい場合があります。
規格試験や対外的な品質保証では、全無響室・半無響室での測定が必要になる場合があります。
HBK × SONORAでは、簡易測定から本格測定まで段階的に構成を検討できます。
たとえば、無響箱とサウンドレベルメータによる簡易性能測定では、セットアップの手間を抑えながら音圧測定を行い、録音オプションにより収録波形をPCで詳細解析する構成が紹介されています。対象例として、自動車部品、電気機器、トランスミッション、ギア、モーター、ファン、エアコンなどが挙げられています。
このように、用途や開発フェーズに応じて、無響箱、簡易測定、無響室、音源探査、自動検査へと拡張していける点は、ユーザーにとって大きなメリットです。
メリット5:音源探査や原因究明までつなげられる
騒音対策では、「音が大きい」ことが分かっても、それだけでは対策に進めません。
どこから音が出ているのか、どの周波数が問題なのか、どの部品や構造が寄与しているのかを把握する必要があります。
HBK × SONORAでは、Acoustic Cameraと無響室を組み合わせた音源測定・音源探査もソリューションとして紹介されています。無響室内で音源探査装置を使用することで、音波反射や外部ノイズの影響を抑えた環境で、音源の発生箇所や大きさを視覚的に捉える高度な計測が可能になります。
これは、開発現場にとって重要です。
単に合否を判定するだけでなく、騒音発生メカニズムを把握し、設計改善や対策検討につなげやすくなります。
メリット6:量産ラインの自動音響検査まで展開できる
音響測定は、研究開発部門だけのものではありません。
製品によっては、量産ラインで異音、騒音、動作音、音質を検査する必要があります。
この場合、課題になるのは測定精度だけではありません。
| 量産検査での課題 | 必要な対応 |
|---|---|
| 工場内騒音 | 遮音・防振された測定環境 |
| 測定時間 | 搬入出、扉開閉、測定、判定の自動化 |
| 判定基準 | 周波数特性、音圧、異音成分などの解析 |
| データ保存 | トレーサビリティの確保 |
| 設備連携 | 搬送装置、PLC、FA機器との連携 |
| メンテナンス性 | 長期運用を前提とした構造・保守性 |
HBK × SONORAのソリューションでは、自動扉無響箱と高精度解析・自動判定システムを組み合わせた量産ライン自動音響検査も紹介されています。既存の生産・搬送設備と連携し、搬入出、扉開閉、測定、判定を自動化する構成です。また、遮音・防振構造により工場内ノイズや床振動を排除し、環境に左右されにくい高精度測定を目指す構成として示されています。
開発評価から量産検査まで、同じ考え方で音響測定をつなげられることは、品質管理上の大きなメリットです。
メリット7:相談窓口を一本化できる
音響測定設備の導入では、計測器メーカー、測定室メーカー、治具メーカー、施工会社、設備業者、社内の生産技術部門、品質保証部門など、多くの関係者が関わります。
それぞれを個別に調整すると、以下のような問題が起こりやすくなります。
| 分離発注で起こりやすい課題 | 内容 |
|---|---|
| 責任範囲が曖昧になる | 測定値のばらつきが機器由来か空間由来か判断しにくい |
| 仕様調整に時間がかかる | 測定器、部屋、治具、搬送設備の条件合わせが必要 |
| 過不足が生じる | 必要以上に高価な設備、または精度不足の構成になる |
| 導入後に運用課題が出る | 測定手順、データ処理、メンテナンスが後回しになる |
守谷商会は、HBK × SONORA音響計測ソリューション公式サイトを運営し、東京本社機械2部を窓口として問い合わせを受け付けています。
ユーザーにとっては、音響計測機器と音響計測空間を別々に検討するのではなく、目的に応じてまとめて相談できることが大きな利点です。
どのようなユーザーに向いているか
HBK × SONORAのソリューションは、次のようなユーザーに適しています。
| ユーザーの課題 | 適した提案 |
|---|---|
| 製品騒音を規格に基づいて測定したい | 音響パワー測定システム + 無響室 / 半無響室 |
| 小型部品の音を簡易的に比較したい | サウンドレベルメータ + 無響箱 |
| スピーカーやヘッドホンを評価したい | 電気音響測定システム + 無響箱 / 無響室 |
| 騒音発生箇所を特定したい | Acoustic Camera + 無響室 |
| 車両騒音を評価したい | VSAC + パスバイ・システム |
| 量産ラインで異音検査を自動化したい | 自動扉無響箱 + 自動判定システム |
| 会議室やWeb会議環境の明瞭度を改善したい | STI測定 + 音響調整 / 吸音・遮音計画 |
| 既存設備の測定精度を改善したい | 現状診断 + 音場調整 + 計測条件見直し |
ポイントは、最初から製品名や設備仕様を決めるのではなく、何を、どの精度で、どの頻度で、どの環境で測りたいかを整理することです。
導入検討の進め方
HBK × SONORAのような統合ソリューションでは、次のような流れで検討すると、過不足の少ない設備計画につながります。
1. 測定目的の整理
まず、何を測りたいのかを明確にします。
音圧レベル、音響パワーレベル、周波数特性、異音、音源位置、STI、音声認識性能、量産検査など、目的によって必要な構成は変わります。
2. 測定対象の整理
測定対象の寸法、重量、発生音の大きさ、周波数帯、動作条件、搬入方法、固定方法を確認します。
3. 必要な測定精度・規格の確認
ISO、JIS、社内基準、顧客要求など、どの基準に対応する必要があるかを確認します。
4. 測定空間の検討
無響室、半無響室、無響箱、防音室、既存室改修、簡易測定ブースなど、用途に応じた空間を検討します。
5. 計測システムの検討
マイクロホン、サウンドレベルメータ、データ収録装置、解析ソフト、Acoustic Camera、自動判定システムなどを選定します。
6. 運用方法の検討
作業者が測定するのか、自動化するのか、データ保存や判定をどうするのか、将来的な対象製品の変更に対応するのかを確認します。
7. 導入後の確認
導入後は、暗騒音、反射、測定再現性、測定手順、データ出力、保守性を確認し、安定して測定できる状態に整えます。
まとめ
音響測定の信頼性は、計測器の性能だけで決まるものではありません。
測定空間、暗騒音、反射、治具、配置、解析条件、運用方法まで含めて設計することで、はじめて安定した測定が可能になります。
HBK × SONORAの強みは、音響計測機器と音響計測空間を一体で検討できる点にあります。簡易測定から規格対応測定、音源探査、STI評価、量産ライン自動検査まで、測定目的に応じた構成を段階的に検討できます。
守谷商会では、測定対象、測定目的、設置環境、規格、運用方法に応じて、計測器・測定空間・解析・自動化を組み合わせた音響計測ソリューションを提案します。
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